株式日記と経済展望


『「三つの帝国」の時代』 日本がこのような状況に気が付いたとしても
後の祭りであり、日本はアメリカに裏切られて中国に引き渡されるのだろう

2009年10月17日 土曜日

「三つの帝国」の時代—アメリカ・EU・中国のどこが世界を制覇するか バラグ・カンナ:著

『「三つの帝国」の時代』を読んで 10月16日 坂崎進

(『「三つの帝国」の時代』 2ページより引用開始)

1970年代には多国籍企業が台頭し、それ以後、世界の地政学的な要因とグローバリゼーションはますます強まり、今では1枚のコインの両面となるほど強固に結びついている。

本書が探索する国や地域は、今後の世界秩序の行方を決めるうえで中心的な舞台となる国や地域であり、本書ではそれらをひっくるめて「第二世界」と呼んでいる。この「第二世界」という言葉は、かつて旧ソ連の支配下に置かれた社会主義国を意味したこともあったが、次第に使われなくなっていたものだ。しかし現在の世界には、トインビー(アーノルド・トインビー)が航海に出た時代の2倍以上もの国があり、本書が新たに「第二世界」と呼ぶカテゴリーに入る国は、かつてなかったほどの数にのぼる。そしてこれらの現代の第二世界で、地政学的な要因とグローバリゼーションの衝突や合流が絶え間なく起きている。

元素の周期表と同じように、国家もサイズ、安定度、富裕度、世界観などによって、グループに分けることができる。政情がより安定し、繁栄している第一世界の国は、だいたいにおいて今の国際秩序によって恩恵を受けている。それにひきかえ、貧しくて政情が不安定な第三世界の国は、その国際秩序のもとに置かれた不利な立場を克服できずにいる。
本書がスポットライトを当てる第二世界の国々は、この二つのグループにはさまれ、そのほとんどが内部に第一世界と第三世界の特徴を両方持っている。すなわち、持てる者と持たざる者の大きな二極にはっきり分かれているということだ。

(中略)

これら内部が二極に分かれた第二世界の国々は、アメリカ、EU、中国、の三つの“帝国”が、グローバリゼーションをテコにそれらの国を自分のほうへ引き寄せようとする時、世界の力のバランスがどちらに傾くかを決めるカギとなる。これらの国は、どのようにして、どの“帝国”と同盟関係を結ぶだろうか。そしてどの“帝国”のグローバリゼーションのスタイルが勝利するだろうか。さらに言えば、東洋と西洋は敵対するだろうか。これらの問いに対する答えはすべて第二世界に見つけることができ、また第二世界にしかない。

(『「三つの帝国」の時代』179ページより引用開始)

中国は、カラコルムハイウェイをインダス川沿いに延長して、遥かアラビア海沿岸まで到達させ、イランとの国境に近い港町グワダルにつなげる計画に、すでに3億5千万ドルを出資している。そのグワダルでは、大型船が接岸できる港と石油精製施設が中国の手ですでに建設中だ。これが完成すれば、パキスタンに大きな力を与えるとともに、中国はマラッカ海峡を通らずにペルシャ湾岸の石油に手が届く。

「10年ほど前までは、グワダルはただの小さな貧しい村でしたよ。」
と回顧するのは、そこで不動産業をしているパキスタン人だ。
「美しい景色以外、特にこれといって何もないところでした。そこに中国人は巨大な港を作っているのです。あれならタイタニック号でも接岸できますよ! これでパキスタン政府は、イランやアラブ諸国にも大きな顔ができるでしょう。」

パキスタンは、アメリカのためにパシュトゥーン人の戦闘員を捕まえるより、北西部に展開している兵力の一部を南西部に移動させて、バローチスタンの分離独立運動を抑え込み、中国の港を守るほうが国益にかなうと考えている。中国のある軍幹部は最近、パキスタンを“中国のイスラエル”と呼んだが、それは中国がパキスタンをアラビア海の拠点にしようとしていることを意味している。

(『世界はこう動く』 236ページより引用開始)

(20年前に日本が、米国を追い越して「超大国」になるかもしれないと騒がれた頃を揶揄して)
このような安易な分析には、日本が過去も現在もひよわな国であることがまったく考慮されていなかった。世界の資源と貿易の円滑な流れがわずかでも混乱すれば、日本は打撃を受けるし、世界の安定が広範囲に崩れれば、大打撃を受ける。国内でも、人口動態、社会、政治の弱みが表面化し、頭の痛い問題となっている。日本は豊かで活力があり、経済力も強い。しかしアジアのなかで孤立しているし、安全保障を依存している強大な同盟国(米国)が、世界の安定を維持する役割を担っていると同時に(この安定に日本は大きく依存している)、経済的には第一の競争相手となっているため、政治上の制約を受けている。
現在の日本の地位は、世界有数の経済大国であると同時に、地政上はアメリカ勢力圏の一部といえる。

(『世界はこう動く』 247ページより引用開始) 

アメリカとの関係を今後も日本の生命線として維持していくべきだとする基本的な合意に変わる選択は、実際には見当たらない。アメリカとの関係を維持しなければ、日本は安定した石油供給を得ることも、中国の核兵器(まもなく北朝鮮の核の脅威が加わる可能性もある)から自国を守ることもできない。したがって、現実の政策課題はアメリカとの関係をいかにうまく処理して国益を追求していくかだけである。

(中略)

日本がアメリカの意向を受け入れようとしているのは、アメリカがアジアには長くはとどまらないかもしれないとの懸念が広がっているからであり、さらには中国が力をつけ、アメリカがそれを懸念していると思えることで、将来、受け入れがたい選択を迫られるのを恐れているからである。つまり、アメリカと手を組んで中国に対抗するか、アメリカと手を切り中国と同盟を結ぶか、という選択を迫られるのを恐れているのだ。

日本にとって、この本質的なジレンマには、歴史の必然が込められている。つまり、アジアの大国になる目標は実現不可能であり、地域に基盤がない国が、真の意味で世界大国になることはできないので、日本が世界の舞台で指導的な地位を確立するには、世界的な平和維持活動と経済活動に積極的に参加するのが最善の方法である。日米の軍事同盟によって極東の安定が維持されている利点を生かし、この同盟が反中国の同盟に発展しないように注意していけば、日本は、効率的な組織に基づく国際協力関係を推進する大国として、重要で影響力のある世界的な使命を安心して追求していける。そうなれば、日本はカナダに似ているが、はるかに強力で世界的に影響力のある国になれる。

(『「三つの帝国」の時代』355ページより引用開始)

中国は第三世界ばかりでなく第一世界とも活発に関係を深めているが、特に地元の東アジア・西太平洋地域の第一世界である日本、韓国、シンガポール、オーストラリアとの関係を重視している。これらの国は、中国との相互依存が進むとともに、徐々に、しかし明らかに、軸足をアメリカから中国寄りに移しつつある。

(『「三つの帝国」の時代』356ページより引用開始)

世界的な経済大国である日本は、世界最大規模の人道支援を行っている国でもある。そしてアメリカとの同盟関係のなかで、ハイテクを駆使した海軍と、アメリカと共同開発のミサイル防衛計画を持ち、国家予算に占める防衛予算の比率が非常に小さいにもかかわらず、大国のなかで最もへりくだったこの国の安全保障を十分満たしている(もっとも民族主義者のなかには、アメリカや中国との軍事力の不均衡を心配する声が上がっているが)。

だが日本は、たとえ核武装したところでアジア諸国から忠誠を得ることはできないし、中国に一歩譲って満足しなければならない。その中国は、日本が国連安全保障理事会の常任監事国になることを阻止し続けている
けれども両国の指導者たちの間には、双方向的な新しい思考の力学が頭をもたげている。
両国はともに東アジアの政治・経済の両輪となる責任を負っており、両国の関係正常化はそのために必須の前提条件だ。

(私のコメント)
パラグ・カンナ著『「三つの帝国」の時代‐アメリカ・EU・中国のどこが世界を制覇するか』の本を私は読んではいないのですが「重たい気持ちで書く掲示板」に坂崎氏が書評を書いていて、引用部分だけ抜き出して私の感想を書いて見ようと思います。

私は書店でも「三つの帝国」と言う本はパラパラッと見てみたのですが、中国を過大評価する一連の本とみなして買って読もうとは思わなかった。三つの帝国とはアメリカとEUと中国の事を指しますが、ロシアも入っていないし日本も入ってはいない。特に日本のことにはほとんど触れていないから興味もわかなかった。

バラグ・カンナはインド出身で現在はアメリカのシンクタンクの研究員であり各方面で活躍している学者ですが、インドの事も重要な国ではないと切って捨てている。世界各地を渡り歩いてきた人でもあり、そのような多角的な視点から見ると中国の将来性が高く見えるのだろうか? ジムロジャースも世界を回っている行動的な投資家ですが、やはり中国を高く評価している。

おそらく北京から上海そして香港などを見れば超高層ビルが立ち並び圧倒されるのだろう。13億の人口と広大な領土と沿岸地域の中国を見れば将来的にアメリカを上回る超大国になると見えるのかもしれない。新設されたピカピカの近代的工場や整備されたハイウェイなども観光客を圧倒させるのだろう。

NHKなども「経済発展著しい中国」と紹介していますが、最近では「13億人の巨大市場の中国」と言うようにNHKは中国の宣伝機関になってしまっている。バラク・カンナもそのような中国に取り込まれてしまったパンダハガーなのだろうか? 最近の副島隆彦氏もそのような傾向が著しく「あと5年で中国が世界を制覇する」と言う本を出版している。

「あと5年で中国が世界を制覇する」   副島 隆彦:著

本書は私が、2年前に書いた『中国 赤い資本主義は平和な帝国を目指す』(2007年12月刊)の続編である。私にとっての2冊目の中国研究本である。

たったこの2年で、中国は大きく変貌した。もはや中国の巨大さを無視したり、腐したり、嫌がったりしているだけでは済まなくなった。日本人は中国と正面から向き合わなくてはならない。私が前著『中国 赤い資本主義……』を書いたときには、まだまだ中国への風当たりが強くて、ほんの少しでも中国の肩を持つようなことを書くと“中国の手先”という悪罵を投げられた。

このあと、2008年1月の「世界連鎖株式暴落」で、中国株(上海総合指数)も大暴落をして、低迷した。果たしてどこまで落ちるのか誰にもわからなかった。ところが2008年の10月末には、中国株は早くも他のすべての主要国の混迷を外に自力で立ち直りを見せて、底打ちした。そのあとの急激な中国の復調(景気回復)には目を見張るものがある。このことから本書を書いてゆく

日本国内に、ついには、「このままでは日本は中国の属国にされてしまう」という恐怖感のようなものまで現れるようになった。なんと恐れ入ることに、この中国脅威論を煽っているのは、ついこの間まで「日本はアメリカとの同盟を基礎にして中国と戦うべきだ」と勇ましいことを言っていた反中国主義者たち自身である。人間は恥知らずに豹変できる生き物でもある。私は自戒の念を込めて、真の日中友好、そして「アジア人どうし戦わず」の旗を今後も掲げ続ける。

(私のコメント)
中国はアメリカの学者や政治家を次々と取り込んで親中派を形成している。アメリカがどうして我が身を犠牲にしてまで中国に尽くすのか不思議でならないのですが、今日の新聞でもアメリカが中国にミサイル技術を供与するそうです。もちろん民間企業を通じてなのですが、これは日本にとっては国防上の脅威だ。同盟国のアメリカが日本の脅威となるような事を平気でしている。

中国へのミサイル技術移転規制を実質緩和 米大統領が権限を中国系商務長官に委譲 10月16日 産経新聞

米国が中国に対するミサイル部品・関連技術の移転規制を事実上「緩和」したことが15日、明らかになった。オバマ大統領が移転の可否にかかわる判断権限を商務長官に委譲したもので、手続きの簡素化による宇宙航空分野での米中協力拡大が指摘される半面、 中国側で技術などが軍事転用される懸念も浮上している。

 オバマ大統領は9月29日付の覚書で、中国系のゲーリー・ロック(駱家輝)商務長官に対し、米国防許認可法(1999年)が定めた判断の権限を「大統領から貴職に委譲する」と伝達した。覚書は機密扱いではなかったものの、一部の米メディアが報道するまで関心を集めなかった。

(私のコメント)
このようなアメリカ政府の不可解な行動は理解しがたいものですが、アメリカと中国によるG2戦略によるものなのだろう。つまり日本はアメリカに裏切られて米中に挟み撃ちにされて封じ込められる危険性が出てきたということだ。中国の中国ミサイルがアメリカの技術供与で性能が向上すれば日本は絶体絶命のピンチになる。

これでは副島隆彦氏で無くとも、アメリカは5年で衰退して中国が世界の覇権国家になってもおかしくは無いと言いたくもなる。ブレジンスキーもパンダハガーの一人ですが、いったい何を考えているのだろうか? 建国60周年の軍事パレードを見ても中国はミサイル部隊を大増強して周辺諸国に軍事的脅威を拡大している。

「三つの帝国」の中でもパキスタンを通じてグワダルに大きな港と石油精製施設を建設している。ミャンマーにも海軍基地を建設してインド洋は中国の海となりつつある。中国のミサイルの傘と中国海軍に取り囲まれた周辺諸国は属国化せざるを得ないのであり、アメリカ軍は戦わずして南アジアや東アジアから退いていかざるを得なくなる。アメリカの第七艦隊も中国のミサイルには抗しきれない。

日本がこのような状況に気が付いたとしても後の祭りであり、日本はアメリカに裏切られて中国に引き渡されるのだろう。あるいは東西に分割されて西日本は中国領となり東日本はアメリカの支配地区となる。日本がアメリカべったりと付いていれば大丈夫と言う親米派はお人よしなのであり、アメリカは日本を裏切るだろう。でなければ中国にミサイル技術など供与はしない。

クリントン大統領の時期にもアメリカは中国に多核弾頭技術を供与している。しかしクリントンがスパイとして逮捕される事は無い。だから鳩山首相は東アジア共同体構想でアメリカ離れを模索していますが、日本はアメリカの正体を見抜くのが遅かった。ブレジンスキーやキッシンジャーは中国とアメリカとの橋渡し役として重要な役目を負っている。彼らをアメリカ人と見るのは間違いであり世界支配層の一員なのだ。

~ by realtime24 : 10月 18, 2009.

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